【こぼれ話】専門職の自主練

他のこと

入院中、周りで働く人たちは医師、看護師、療法士…専門職の方々ばかりでした。

その仕事をしていくには専門的な勉強をしてきただけでなく、
実践の中で経験を積んで更に学んで…
専門職って勉強も難しくて実践も大変だろうな、という印象があります。

そんな人たちも、経験不足な新人時代があって当然…。

まだ手指があまり動かなかった頃、リハビリ中にOTが指の曲げ伸ばしをしてくれてたのですが、
私の指を1本ずつ、OTは自分の指を何本か使って
上手く間接を避けながら挟んで動かしてくれていました。

あるとき、

「実は私、これ苦手なので痛かったりしたら言ってくださいね」
と言っていたOTがいたので、

「こういうのって、自分で練習したりとかもするの?」
と聞くと

「もちろん、やりますよ~、自分の手でもやってみるし、
同期と一緒にお互いの手を借りて練習したりしました」
と言っていました。

そうだよね、患者さんで練習するわけにいかないしね。

そして、イチバン聞いてみたかったこと…。

入院中は何度か血液検査を受けることもあって、看護師が採血をしに来るのですが…
イチバン聞きたかったことを聞いてみました。

「注射って、どうやって練習するの?」

こんな質問にもちゃんと答えてくれる優しい看護師。

「最近は、腕の模型みたいなものがあって血管も分かるようになっているの」
と教えてくれました。

「へ〜、そんなものがあるんだ〜
新人の頃は、同期と練習し合うとかないの?」
と聞くと

「やったことはあるけど、人に痛い思いさせるのはね…
あまり何度もやりたくないよね」と。

「じゃあ、自分の腕でやったりするの??」

「う〜ん、人に痛い思いさせるくらいなら自分でやれるほうがいいんだけどね…
採血とかするときの注射ってコッチから入れるでしょ
(手先から肘に向かう方向)

逆になっちゃうから自分じゃ出来ないのよ…」

「そっかー、なるほどねー」
と、納得したのもつかの間…

「でもね、この病棟の○○さんは、自分の腕で練習したことあるらしいの…」

『えー!?怖い〜! つ、強者だ…』

本人と話をする機会があったら聞いてみようと思いつつ、
退院が近づいてきた頃…

この日も血液検査があり、看護師が採血をしにきました。

「入院中に採血するのも最後だね〜」なんて少し話をしながら…

「人によって血管が出やすいとか出づらいとかあるんでしょ?私はどうなのかな??」
と聞くと

「問題なく出てるよ、ほらココ…」
と教えてくれました。

「でもね、ちゃんと出てるな〜と思ってても、いざ刺そうとすると逃げるときもあるのよ…」

「血管が逃げる??」

「そうなの、スルッと横にズレていったりすることもあるのよ〜」

そんなことを教えてもらったりしながら…

「注射の練習、自分でやったことある人もいるらしいって聞いたことあるんだけど…
自分でやったことあったりする?」
と聞いてみました。

すると

「あるよ」
とアッサリ返答。

「あえてやらないけど、どうしても点滴や注射をしなきゃいけないってなったら、
私は自分で出来るよ」と…。

『うわ〜、かなりの強者がここにいた〜』

専門職の自主練…皆さん色んなことやってるんですね。
そりゃそうだよね、何もしないで出来るようになるわけない。

長期入院しなかったら、なかなか聞けない話もあったし色々と聞けたし
初めて知ることもたくさんありました。

もちろん、入院することがないほうが良いことだけど、
知らないことを聞けたりしたのは、貴重なことだったな…と思います。