脳梗塞を発症して左手足が動かなくなって間もない頃…
主治医に、
「元の状態が100として、100戻るかどうかは分かりません。
回復に向けてリハビリを行っていきますが、どこかの時点で
その状態で出来ることを考えていく必要があるかもしれません。」
と言われたことがあります。
すぐにはピンとはきませんでしたが……。
もしかしたら、ほとんど動くようにはならず、車イスが必要なままかもしれないし、
家の中でも杖や歩行器などが必要かもしれない…
そうなったら、車イス生活の練習や杖が手放せない状態で
生活を送る練習をしていく必要もある、ということ…。
主治医は、悪い意味で言っているわけじゃなく、
これまで何人もの脳卒中で後遺症が残った患者を見てきたからこそ、
とても現実的なことを言っているんだと思いました。
でも…
私の中では、手足が全く動かなかった頃から
『動かないことを前提にしたリハビリはしたくない』
と思っていました。
入院中にリハビリをしていく中で、膝の使い方が上手く出来ずロッキングが多かった頃、
担当PTに自分の足に合った装具を作ることを勧められたことがありました。
それが、ずっとそのままだったら膝を痛めてしまうことになるし、
悪いクセがついてしまってキレイに歩けるようにならないかもしれない…
それを防ぐために、ということで言ってくれてるのも分かりましたが…。
どうしても、装具ありきでリハビリしていくことが嫌で、練習で装具を使用することはあっても
退院まで自分の装具を作ることは結局しませんでした。
もっと上手く動けるようになって膝の使い方も足先の上がり具合も
良くなる可能性があるのに、そうなる前に、
良くならない前提でやっていくような気がしてまって…
そんな気持ちになってしまったから、というのもあったと思います。
そんな左足の筋力をつけるためにスクワットなどを毎日やっていたのですが、
ある人に近況報告的に
「最近は毎日スクワットとか欠かさずやってるよ」
と伝えると…
「そうだよね~動かない足の分、
もう片方は2倍の力が必要ってことってことだしね~大変だよね」
と…。
もちろん悪気なく言っているのも分かってはいるのですが、
『それって、まるで片方は動かないままだから…っていう理由でやってるみたい…』
と思ってしまって悲しくなったこともありました。
動かないかもしれない、これ以上良くならないかもしれない…
そんなことを前提にしてしまったら何も頑張ることは出来ない気がします。
今も、その気持ちは変わっていません。
維持期に入っているからといって今の状態のまま変わらないなんて思っていないし、
実際に少しずつでも変わってきているし…。
どのくらい先かは分からないけど、もっとしっかり動けるようになることを
諦めずにいたいです。
この先もずっと…充分ではない状態を前提にすることはないと思います。
未来はまた、私にとっての普通が新しくなり続けていくように…頑張っていきます。