膝のロッキングに悩み始めた頃、隣のベッドに歳が一つしか違わない人が移ってきました。
彼女は、脳出血だったけど発症した時期は私と変わらなくて
同じく左の片麻痺があり隣に来た時は車イスでした。
それが…1週間程度で杖歩行が出来るようになり、
その1週間後にはほぼ杖なしで歩けるようになっていました。
脳卒中(脳の血管で起きる病気…脳出血、脳梗塞、くも膜下出血が含まれる)
の後遺症は、種類や程度も人それぞれだし、リハビリをしていても
どれだけ元の状態に戻るか戻らないかも違うけど
ほぼ同じ年齢なのに回復が早いのは、正直、羨ましく思っていました。
そんな彼女と時々話すこともあり、
最初にリハビリを担当した療法士に教えてもらった腹筋の運動を
「毎日300回やってください」と言われ、
それをちゃんとやっていることを知りました。
歩く練習を始めたときは、同じようにロッキングすることも多かったそうです。
「いつ頃からロッキングしなくなったの?」
「これをやったらロッキングしなくなった、とかある?」
「なんとなくコツを掴んだ、って感じ?」
などと、彼女にも質問ばかりな私(笑)
彼女は、
「もう自分がどうやって歩いてたのか分からなくなってたけど、
靴脱いで練習したときに地面を感じたら何となく思い出してきたかなあ…
ロッキングも少しずつ減ってきた…
腹筋とかお尻上げとか効果があったんだと思うけど、
いきなり効果が表れたわけじゃなく、少しずつ少しずつだよ。」
と話してくれました。
『やっぱり、筋肉を鍛える(というより、普通に歩ける筋力に戻していく…?)
って必要なことなんだな…』
当然だよね、麻痺がある足は歩き方を忘れてしまったわけだし、
歩いていた頃の筋力は落ちてしまったんだし…。
この頃から、スクワットとか自分で出来ることを毎日やるようになりました。
と言っても、普通の人がやるようなスクワットにはほど遠く…
ベッドの柵に掴まって膝の曲げ伸ばしをゆっくりやる…っていう感じだったけど。
でも、このスクワット…
力の加減とか足の開き具合とか少しずつ変化しながら…
3セットくらいに分けて100~150回、
他の自主トレと合わせて退院まで毎日欠かさず続けたのでした。
そして、隣の彼女は雪が降り始める前に退院していきました。