制度の中で…知ったことや実感したこと

思うこと

この病気になって…病気のことも、この病気に関わる医療制度のことも…
リハビリのこと、介護保険のこと…
はじめて知ったことがたくさんあります。

そして、その当事者になって実感して…
その上で思うことなんかも少しずつ増えてきました。

1年が過ぎた現在…知ったことや、知ってから考えたことなんかを
まとめておこうと思います。

《脳卒中》
脳梗塞、脳出血、くも膜下出血…の総称。
私が発症した「脳梗塞」は、脳血管に血栓が詰まる状態。
脳梗塞にも、その血栓がどこで出来たものか、どこの脳血管に詰まったか等で更に分類される。

脳出血は、脳内の血管が破れてしまう状態。
くも膜下出血は、血管にできた動脈瘤(コブのようなもの)が破れてしまう状態。

いずれも、片麻痺や言語障害等の後遺症を残すことが多く、どこの血管で異常が起きたか
それによってどの脳神経に影響があったかによって変わってくる。

(素人のザックリな説明なので詳細なことは専門機関にご確認ください)

《脳卒中に関わる医療制度等》
脳卒中になると、まずは急性期(発症から2週間程度)の治療をする病院で治療、
必要であれば手術。
その後、後遺症があるとリハビリをする回復期(発症から6ヶ月程度まで)の
リハビリ病院でリハビリを受ける場合が多い。
急性期と回復期を兼ねている病院もある。
回復期を過ぎて入院を続けることは出来ない。

入院中は毎日リハビリ時間があるが1日3時間が限度らしい…
病院によって違いがあるのか?私の場合は、1日に40分×2回のリハビリ時間があった。

その後は、維持期(生活期)と言われる。
回復期を過ぎても後遺症が回復しなかった場合、外来での維持期リハビリを行っている病院へ通院。

40歳以上で介護が必要な状態であれば介護保険で利用できるデイサービスや訪問でのリハビリ等がある。

(こちらも同じく詳細は専門機関にご確認を)



さて、現在の私は…

急性期〜回復期リハビリ病棟のある病院に5ヶ月入院しましたが、
残念ながらそれだけでは充分な回復には至らず、
退院後に介護保険を利用したリハビリを受けてきました。

回復期の期間ギリギリまで入院していましたが、
まず回復期の入院が150日(高次脳機能障害がある場合180日)が限度だということを
入院後しばらく経ってから知りました。
入院中に介護認定を受けることが出来ましたが、
病院のほうで手続きが進むように手配していたからであって、
介護保険の制度をきちんと知らなかった状態で
退院後のことも分からないし考えることもできなかった頃に
自分で手続きすることは出来なかっただろうな、と思います。

退院後、介護保険利用でリハビリ特化型のデイサービスと訪問リハビリを受け始めました。
回復期に入院してた頃と比べるとリハビリを受けることができる時間は
驚くほど少なくて私の場合で1/4以下…これでも、まだいいほうです。

私は、PTやOTに見てもらい入院時のようなリハビリが受けられることを
ケアマネに希望して探してもらうことが出来ましたが、地域によっては難しかったり…
様々な事情で必ずしも専門資格のある人のリハビリが受けられるとは限りません。

介護保険制度で運用されている施設は、高齢者の介護や介護予防で利用することが前提で作られているので、
何かの傷病で後遺症があってそのリハビリができるようなところはとても少ないです。

そもそも介護保険を利用して受けられるものは、サービスであって医療ではないんじゃ…
でも、傷病の後遺症に対して専門資格がある方が行うリハビリは医療行為です。
高齢になって体力が落ちているから以前のような体力をつけるために運動を指導してもらうことは、
介護保険の制度として合ってることだと思うけど、
病気の後遺症で麻痺があって身体が動かない等の症状がある方々が受けたいことは
全く違うはずなのに、40歳以上は基本的に介護保険で…
ということに無理があると思います。

まだまだ現役で仕事をしなければ生活できない年代と、
引退して年金生活を送ってる年代では必要なことが違って当然だと思うのですが…。
残念ながら、そこを分けて考えられてはいない…これが現状で、
これも当事者になって初めて知ったことです。

退院してからが本当の意味でのリハビリが始まる…
漠然とですがその意味が分かってきたような気がします。

現役世代で後遺症が残るような病気になってしまった人たちには、
充分だと言える制度にはなっていない…
だからといって制度はすぐ変わるものじゃない…
この状況で苦労している人たちがたくさんいることも知ったけど、
それでも今はこの状況の中でどうにかするしかありません。

そういう意味でも、退院してからのほうが厳しい環境だな…と実感しています。。。