新しい年に入り入院からは3ヶ月が過ぎた頃、
手は、細かいものを指先で掴んだりすることだったり、
軽いものをバランス取りながら積み重ねていく等、
力任せに動かすことだけではなく力をコントロールする練習などをしていました。
腕は上がるようになったとはいえ、一定の位置で止めておくということが苦手だったり、
止めておくと震えるというか揺れてくるので汁物が入った食器は持てませんでした。
毎朝、髪をまとめるときのヘアゴムの扱いは右手だけに頼らず
少しづつ左手も使うようになってきたので力はついてきてたんだと思います。
担当OT(作業療法士)は、時々パソコンを持ってきてくれて、
キーボードを打てるかどうかを試してくれました。
足もだけど、外側(小指側)の力が弱く、外側を上げることが上手くできません。
その頃に取り入れたばかりの微弱な電流を使った器具が、
手の外側を上げる手助けをしてくれるようなもので、
それを使用してみたりしながら文字入力の練習をしていました。
足のことも含め、これまでに機械的なものも手法的なことも、
『やったことがないことは何でもやってみたい!』
と思っていて、やらせてもらえることは喜んでやっていました。
それくらい、何をやったら出来るようになるかとか、
何で出来ないんだ、どうしたらいいんだろうと悩むこと、
悩んでもなかなか出来ないことも多かったからかもしれません。
足のほうは、リハビリの時間以外にも1日に何度も廊下に出て
歩く練習をしていました。
とはいえ、杖をついて1回5分程度歩くのが限界。
踏み込むだけで膝がロッキングするのはかなり減ってきましたが、
後ろ足になった時にロッキングしたり、
かかとから着いてもつま先がパタンとすぐ落ちてしまったり、
右足から踏み出すと左で支えるのが弱くて腰が外側に流れてしまう状態だったり…
克服していかなければいけないことが以前と違ってはきているけど、
まだまだたくさんあることには変わりありませんでした。
担当PT(理学療法士)は、歩くことだけでなく、杖で階段を昇り降りする方法や、
万が一、転んだりした時に落ち着いて立ち上がれるように
床に座った状態から掴まるものがなくても立ち上がる方法を教えてくれました。
少しずつ、退院後を見据えた練習が始まっていきました。
OTが行うリハビリの時間は、パソコンを使う練習の他に料理もしました。
包丁で野菜を切ったりすることは出来ましたが、
フライパンを振ったりすることは出来ません。
卵を割ることは何とか出来ましたが、
お皿にラップをすることが上手く出来ません。
それなりに力はついてるけど、一定の位置で止めておくとか、
手首を上手く返すような動きが苦手ってことだよね…。
PTとのリハビリの時間は、お風呂で湯船に入るのを想定して
同じくらいの高さのものをまたぐ練習をしたり、
バスに乗ることを想定して高めの踏み台を廊下の手すり近くに置き
手すりに掴まって登ったり降りたりする練習もしました。
傾斜した場所での歩きや、ちょっとした障害物を避けたりまたいだり…
病院内は平らなところばかりだけど外に出たら傾斜も段差もある…
世の中は、バリアフリーを取り入れた場所もありますが決して多くはないと思います。
歩いたりする練習してるとはいえ、常にPTが横についていて、
ふらついたらすぐに支えてくれたりするし周りには看護師もいて安全だから出来ること…
外で1人で歩くのは、まだまだ危険な状態でした。
退院まで2ヶ月弱…
残りの期間で劇的に回復することがない限り退院後もリハビリは必要ですが、
入院した病院では回復期を過ぎた患者への外来でのリハビリは行っていません。
年齢的に、退院後は介護保険を優先することになります。
ただ、介護保険を利用する施設だと、お年寄りが体力維持のために
みんなで体操してる…というイメージしかなくて…。
そういうところではなく、
入院中にやっていたリハビリと同じレベルのことを
PTやOTにもついてもらってやっていきたい…
担当してくれた院内のソーシャルワーカーには、早いうちからそんな相談をしていましたが
とても親身に相談に乗ってくれたりしました…
本当に感謝しかありません。