入院から2週間が経つ頃、回復期のリハビリ病棟に移りました。
ここでは毎日リハビリがあり、退院後に自立した生活を送ることを目指す病棟です。
それぞれに、作業療法士と理学療法士がリハビリ担当としてついてくれます。
午前と午後に40分ずつリハビリの時間がありました。
リハビリ病棟に移ったとき、左手の握力は0㎏…というより測定不能だったけど、
「ふんわりなグー」が出来るようになってきていました。
手は握るより開くほうが難しい、指は曲げるより伸ばすほうが難しい、
腕も前に持ってくるより広げるとか後ろに動かすほうが難しいそうです。
作業療法士は、指を1本ずつ曲げ伸ばししてくれたり、
手を握ったり開いたりするための補助をしてくれる微弱な電流を流す器具を
手に装着してくれたり、様々な工夫をしてくれていました。
腕を曲げ伸ばしするときは、どこに力を入れるのかを細かく教えてくれます。
「無駄なところに力が入ってなくて動かすべきところに
ラクに力が入っていていいですね」
「言ったことを正しく受け入れてるのが分かりますよ」
などと言ってもらえたのですが、そういうところは、
フラメンコのレッスンを受けていてよかったな…と思っていました。
足は、なかなか足首が動かなくて、まだ背屈(つま先を上げる)が出来ません。
手すりに掴まって、足を前に踏み出すとか歩くための練習もするのですが
相変わらず膝に力が入りません。
理学療法士も、足首を上げる助けをする微弱な電流を流すものを試してみたりしてくれました。
足を前に踏み出す等の歩く練習のときは、
「身体をどう使うか想像するボディーイメージが上手いです」
と言ってもらえていました。
レッスンでは言われたことない褒め言葉を言われるので、心の中では、
『本当に?どこが出来てた? 言い過ぎじゃない?? ウソだー!よく言うわ!!』
と疑ってばかりいました(笑)
リハビリ病棟に来て2週間が経った頃…
少しだけど、背屈が出来ました!
PT(理学療法士)も驚いていたけど、とても喜んでくれました。
背屈が出来たということは「歩く」ということに、ちょっとだけ近づいた感じです。
この日から、座った状態で足首を曲げてつま先を上げる、
という練習をリハビリの時間以外でも自分でやるようになりました。
10~20回がやっとだったけど、
この動きって…フラメンコのリズム刻むときと同じ?と、ふと気づく。
それからは、頭の中で色んな曲を思い浮かべながら練習してました…
ただ回数を数えるより、私にとっては、そのほうが飽きずに続けられそうだったから(笑)
でも、膝が弱いのは相変わらず…。
人は立って歩くとき、足を前に伸ばして着地するときも、
逆の足が前に出て最初に出した側の足が後ろになったときも
自然と少しだけ膝は曲がっているんです。
私は、足を前に出すと踏み込むときに膝がピンと伸びきってしまう…。
反張膝(バックニー、ロッキング…とも言う)という状態で、
麻痺が出てる人にはよくあるそうなんですが、反張膝の状態で歩いていると
いずれ膝を壊してしまうことに…。
踏み込むときに、ほんの少し膝を曲げる…と言われても、
その「ほんの少し」が分からない…
どうしても踏み込むとピンと伸びてしまう…。
立った状態で左右に体重移動を繰り返して右と同じ感覚を確認してから足を出す…
いろんなことを試してみても、踏み込むとすぐロッキング…。
どうしたらロッキングしなくなるのか…
何をしたらいいのか色んな質問をしたし、PTも色んなことを考えてくれました。
「なんでこうなるのかな?」
「こうしてみたらいいかな?」
「それってどういうこと?」
そんな感じで毎日のように聞いていて、答えてくれたことにも
「それって、こんなイメージってこと?」
と、結局は質問ばかり(笑)
PTからは、よく
「お尻の下あたりに、もう少し筋肉がつくといいんだけどな~」と言われていました。
そうか…と思いながら、ちゃんと動かない身体で筋トレとか出来ないし…
とも思っていました。
リハビリの時間も、それ以外の時間も…
『何を意識したらいいんだろう…どう取り組んでいけばいいんだろう…』
動けるようになりたい!
という思いは強いのに、どうしたらいいのか分からず…
悩むことも出てきたような気がします。