入院して最初の2週間くらい、脳梗塞の患者専用の部屋にいた頃、
同室の90歳くらいのお婆さんは認知症もあるのか?
自分が入院している自覚がないらしく、いつも帰りたがっていました。
看護師が毎朝、名前・生年月日・今日の日付なんかを確認するんだけど、
たまに自分のじゃない生年月日を答えてることがあったり、
「ここは、どこですか?」という質問には、
「病院?」と答えることもあるけど、
「家かしら?」と答えるときも。
「病院に入院しているんですよ。」と言っても
「入院なんてしていませんよ。家に帰ります。帰してください。」と…。
時々、自分の点滴を外そうとすることもありました。
あるとき、直前まで隣のベッドのお婆さんに話しかけられていたのですが、
看護師に「今いる場所は分かりますか?」と聞かれて
「この方(隣のお婆さん)のお宅にお邪魔しているの」
と答えていて、ちょっと面白かった(笑)
なぜか、食事を出されると「あら~、ありがとうございます~」と、
嬉しそうに食べているようでした。
言語聴覚士のリハビリを受けていることもあったのですが、
ST(言語聴覚士)に「食事は食べられていますか?」と聞かれると
「はい、とても美味しいです。頼んでもいないのに出てきて…天国のようです。」
と話しているのが聞こえてました。
そんなある日、病室にSTが入ってくると、お婆さんが…
「すいませ~ん! お会計してくださ~い!」
まるで、どこかに食事しに来ていて、
食べ終わって帰ろうとしてる人のようで…
『ここは店か!?』
心の中で、突っ込んでしまった(笑)
お婆さんったら、いちいち面白い!
確かにね、会計したら帰れるよね…早く帰れるといいね。